はじめに
「PRを出す前に、毎回同じ確認手順をClaudeに説明し直している…」
「チームでレビューの観点がバラバラで、品質にムラがある」
「複数ステップの作業をまとめて1コマンドで実行したい」
こんな悩みを抱えている方に刺さる機能が、Claude Codeの**スキル(カスタムコマンド)**です。
スキルとは、繰り返し使う指示をスラッシュコマンド化して保存しておく仕組みです。一度作成すれば /コマンド名 と打つだけで同じ手順が再現でき、チームで共有すれば全員が同じ品質・同じ手順で作業できるようになります。
| 解決できる悩み | スキルでの対応 |
|---|---|
| 毎回同じ手順を説明している | SKILL.mdに手順を保存して /コマンド名 で呼び出す |
| チームでレビュー観点がバラバラ | .claude/skills/ をgitで共有して統一 |
| 複数ステップを毎回手動で実行 | 一連の手順をまとめて1スキルに |
この記事では、スキルの全体像から作り方・実践例・チーム共有まで、Claude Code固有の視点で解説します。
この記事で分かること
- ビルトインコマンド・バンドルスキル・カスタムスキルの3種類の違い
- Anthropic公式のバンドルスキル(★)一覧
- カスタムスキルをSKILL.mdで作る手順
- SKILL.mdのフォーマット詳細と
descriptionの書き方のコツ - 実践的なカスタムスキルの例(4パターン)
- プロジェクトレベル vs ユーザーレベルの使い分け
- チームでスキルを共有する方法
- CLAUDE.mdとSKILL.mdの使い分け
こんな人におすすめ
- Claude Code を毎日使っているが、毎回同じ指示を繰り返している方
- チームでClaude Codeの使い方を統一したい開発チームリーダー
- 複数ステップの定型作業を自動化したい方
/code-reviewのようなコマンドを自分でも作ってみたい方
スキルの全体像:3種類の分類
Claude Codeのスラッシュコマンドは、実装方法によって3種類に分類されます。
| 種類 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| ビルトインコマンド | Claude Code本体に組み込まれた機能 | /clear・/model・/resume・/compact |
| バンドルスキル(★) | Anthropicが公式提供するスキル実装のコマンド | /code-review・/simplify・/batch |
| カスタムスキル | ユーザーが自作するSKILL.md形式のコマンド | /pre-pr-check・/deploy-staging など |
/clear → ビルトインコマンド(Claude Code本体の機能)
/code-review ★ → バンドルスキル(Anthropic公式提供)
/pre-pr-check → カスタムスキル(自分で作成)/skills コマンドを実行すると、現在のセッションで利用可能なスキルの一覧を確認できます。バンドルスキルには ★ マークが付いています。
バンドルスキル(★)一覧
Anthropicが公式に提供するバンドルスキルは17個あります。これらはSKILL.mdの形式で実装されており、カスタムスキルの参考にもなります。
コードレビュー・品質系
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/code-review ★ | 正確性バグ・再利用・簡潔化・効率化のクリーンアップをレビュー。努力レベル指定可・--comment でPRにインラインコメント・--fix で自動修正 |
/simplify ★ | コード再利用・簡潔化・効率化・抽象化レベルをレビューして修正を自動適用(バグ検出は対象外) |
/security-review ★ | セキュリティ脆弱性に特化したレビューを実施する |
/verify ★ | 実際にアプリを起動してコード変更が意図通りに動作するか確認する |
エージェント・自動化系
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/batch ★ | 大規模変更を5〜30個の独立したworktreeエージェントで並列実行してPRを作成する |
/loop ★ | プロンプトまたはスラッシュコマンドを繰り返し実行する |
/schedule ★ | スケジュールに従って実行するクラウドエージェントを作成・管理する |
/run ★ | プロジェクトのアプリを起動して動作確認する |
/run-skill-generator ★ | プロジェクト固有の run-<unit> スキルを作成・改善する |
設定・管理系
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/init ★ | コードベースドキュメントを含む新しいCLAUDE.mdを初期化する |
/update-config ★ | settings.json経由でClaude Codeを設定する |
/fewer-permission-prompts ★ | よく使うツール呼び出しをスキャンして権限確認ダイアログを減らす |
/statusline ★ | Claude CodeのステータスラインUIをセットアップする |
情報・サポート系
| コマンド | 説明 |
|---|---|
/insights ★ | Claude Codeセッションの分析レポートを生成する |
/team-onboarding ★ | 自分の使い方ガイドでチームメンバーのClaude Code習得をサポートする |
/claude-api ★ | Claude API / Anthropic SDKのリファレンス(モデルID・価格・パラメータ等) |
/design-sync ★ | ReactデザインシステムをClaudeのデザイン機能へ同期する |
カスタムスキルの作り方
カスタムスキルは、SKILL.mdファイルを所定のディレクトリに置くだけで有効になります。特別なビルドや設定は不要です。
ディレクトリ構成
プロジェクトルート/
.claude/
skills/
pre-pr-check/
SKILL.md ← スキルの定義ファイル
deploy-staging/
SKILL.md
weekly-review/
SKILL.mdフォルダ名がスラッシュコマンドの名前になります。pre-pr-check フォルダに置いたスキルは /pre-pr-check で呼び出せます。
作成手順
.claude/skills/ディレクトリを作成する- スキル名のサブディレクトリを作成する
- そのディレクトリ内に
SKILL.mdを作成する
mkdir -p .claude/skills/pre-pr-check
touch .claude/skills/pre-pr-check/SKILL.mdこれだけです。Claude Codeを再起動するか /reload-skills を実行すると、新しいスキルが有効になります。
SKILL.mdのフォーマット詳細
SKILL.mdはYAMLフロントマター + 本文の構成です。
---
name: pre-pr-check
description: PRを出す前の事前チェックを実行する。Use when the user wants to
prepare a pull request or before submitting code for review.
---
PRを出す前に以下を順番に確認してください:
1. 変更ファイルの一覧を確認(git diff --name-only)
2. テストを実行して全件グリーンか確認
3. コミットメッセージが規約に沿っているか確認
4. レビュアーへのコメント案を作成フロントマターの各フィールド
| フィールド | 必須 | 説明 |
|---|---|---|
name | ✅ | スラッシュコマンドとして呼び出す名前 |
description | ✅ | スキルの説明。Claudeがいつ使うかを判断するために使われる |
description の書き方が最重要
description はただの説明文ではありません。Claudeが「このスキルをいつ呼び出すべきか」を判断するために使うテキストです。
英語で Use when... の形式で書くことが推奨されています。
# 悪い例:何をするかだけ書いている
description: PRのチェックを実行する
# 良い例:いつ使うかが明確
description: PRを出す前の事前チェックを実行する。Use when the user wants to
prepare a pull request or review code before submitting.Use when 以降の記述が具体的なほど、Claudeが適切なタイミングで自動的にスキルを提案しやすくなります。
実践的なカスタムスキル例
実際に使えるSKILL.mdの例を4パターン紹介します。
例1:PR提出前チェック
---
name: pre-pr-check
description: PRを出す前の事前チェックを実行する。Use when the user wants to
prepare a pull request or before submitting code for review.
---
PRを出す前に以下を順番に確認してください:
1. git diff --name-only で変更ファイルの一覧を確認する
2. テストを実行して全件グリーンか確認する(npm test または go test ./...)
3. コミットメッセージが conventional commits 規約に沿っているか確認する
4. 変更の概要とレビュアーへのコメント案を作成する
5. 問題があれば修正候補を提示する/pre-pr-check と打つだけで、毎回同じ品質の事前チェックが実行されます。
例2:ステージング環境へのデプロイ
---
name: deploy-staging
description: ステージング環境にデプロイする。Use when the user wants to deploy
to staging, test in staging environment, or release to staging.
---
ステージング環境へのデプロイを実行します:
1. 現在のブランチが develop または feature/* であることを確認する
2. テストが全て通過しているか確認する
3. 以下のコマンドでビルドとデプロイを実行する:
- npm run build:staging
- npm run deploy:staging
4. デプロイ後にヘルスチェックURLにアクセスして正常稼働を確認する
5. Slackの #deployments チャンネルにデプロイ完了を通知する例3:週次コード品質レビュー
---
name: weekly-quality-check
description: 週次のコード品質レビューを実行する。Use when the user wants to run
a weekly code review, quality check, or end-of-week code assessment.
---
今週のコード品質レビューを実行します:
1. git log --since="1 week ago" --oneline でこの週の変更を確認する
2. 変更の多いファイル上位5件を特定する
3. 各ファイルについて以下をチェックする:
- 関数の長さ(20行超は要注意)
- テストカバレッジ
- TODO/FIXME コメントの増減
4. 技術的負債の増減サマリーを作成する
5. 来週優先的に対応すべき項目を3件に絞って提示する例4:新メンバー向けオンボーディングチェック
---
name: onboarding-check
description: 新しいチームメンバーのローカル環境セットアップを確認する。Use when
onboarding a new team member, setting up a development environment, or checking
local environment configuration.
---
新メンバーのローカル環境セットアップを確認します:
1. 必要なツールのバージョンを確認する(Node.js / Go / Python / Docker など)
2. 環境変数ファイル(.env.example)のコピーが完了しているか確認する
3. npm install / go mod download 等の依存パッケージが揃っているか確認する
4. ローカルDBの初期化とマイグレーションが完了しているか確認する
5. 開発サーバーが正常に起動するかテストする
6. 不足しているものや問題点をリストアップして次のアクションを提示するプロジェクトレベル vs ユーザーレベル
カスタムスキルには2つの保存場所があり、スコープが異なります。
| プロジェクトレベル | ユーザーレベル | |
|---|---|---|
| 保存場所 | .claude/skills/ | ~/.claude/skills/ |
| 有効範囲 | そのプロジェクトのみ | 全プロジェクトで有効 |
| チーム共有 | gitで管理してチーム全員に配布可能 | 個人設定(共有不可) |
| 使いどころ | プロジェクト固有の手順・チームルール | 個人の定型作業・どこでも使いたいもの |
選び方の基準
プロジェクトに依存する手順(デプロイ先・テストコマンド・規約)
→ .claude/skills/ (プロジェクトレベル)
どのプロジェクトでも使える汎用的な作業
→ ~/.claude/skills/ (ユーザーレベル)ヒント: 迷ったらまずプロジェクトレベル(
.claude/skills/)で作るのがおすすめです。後から~/.claude/skills/に移動するのは簡単ですが、チームと共有するスキルは最初からgit管理しておく方が楽です。
チームでのスキル共有
プロジェクトレベルのスキル(.claude/skills/)はgitリポジトリに含めることで、チーム全員が同じスキルを使えるようになります。
共有の手順
# 1. スキルを作成する
mkdir -p .claude/skills/code-review-checklist
touch .claude/skills/code-review-checklist/SKILL.md
# 2. gitに追加してコミットする
git add .claude/skills/
git commit -m "feat: チーム共有のコードレビューチェックリストスキルを追加"
# 3. プッシュする
git push新メンバーがリポジトリをクローンした時点で、スキルが自動的に使えるようになります。
チーム共有スキルの運用ルール(例)
- スキルの追加・変更はPRで行い、チームでレビューする
- スキル名はプロジェクトの命名規約に合わせる(ハイフン区切りなど)
descriptionは日本語 +Use when...(英語)の形式に統一する.gitignoreに.claude/を含めないよう注意する
# .gitignoreに.claude/を追加しないこと!
# スキルは全員で共有するものなので、gitで管理するCLAUDE.mdとSKILL.mdの使い分け
CLAUDE.mdとSKILL.mdは混同されやすいですが、役割が明確に異なります。
| CLAUDE.md | SKILL.md | |
|---|---|---|
| 読み込みタイミング | セッション開始時に毎回全文 | 呼び出された時だけ |
| 適用範囲 | 常時適用(全ての作業に影響) | 呼び出した時だけ適用 |
| 向いている内容 | 言語設定・基本方針・短いルール | 長い手順書・詳細なガイド |
| コンテキスト消費 | 毎回消費(長いと無駄) | 呼んだ時だけ消費 |
使い分けの原則
CLAUDE.md
→ 常に守るルール(言語設定・コーディング規約・基本方針)
→ 目安:50行以内に収める
SKILL.md
→ 特定の作業手順(デプロイ・レビュー・オンボーディング)
→ 長い手順書・詳細なガイドCLAUDE.mdが100行を超えてきたら、手順系のコンテンツをSKILL.mdに移す検討タイミングです。コンテキストの節約になり、Claudeの動作が軽快になります。
具体的な移行例
CLAUDE.md(移行前・重くなってきた)
├── 言語設定(日本語で回答)← CLAUDE.mdに残す
├── コーディング規約(コメントスタイル)← CLAUDE.mdに残す
├── デプロイ手順(20行)← SKILL.mdに移す
├── コードレビュー観点(30行)← SKILL.mdに移す
└── DB操作手順(15行)← SKILL.mdに移す
CLAUDE.md(移行後・スリム化)
├── 言語設定
└── コーディング規約
.claude/skills/
├── deploy/SKILL.md
├── code-review-checklist/SKILL.md
└── db-operations/SKILL.mdよくある質問(FAQ)
Q. スキルを作成したのに /コマンド名 が認識されない
以下を確認してください:
- ファイル名が正確に
SKILL.md(大文字)になっているか - ディレクトリ構成が
.claude/skills/[スキル名]/SKILL.mdになっているか - セッション中に作成した場合は
/reload-skillsを実行したか(再起動でも有効)
# ディレクトリ構成の確認
ls .claude/skills/
ls .claude/skills/pre-pr-check/
# → SKILL.md が表示されれば OKQ. スキルの内容を更新したい
SKILL.mdを編集した後、セッション中なら /reload-skills を実行します。次のセッションからは自動的に更新版が読み込まれます。
Q. バンドルスキルと同じ名前のカスタムスキルを作ったらどうなる?
カスタムスキルが優先されます。例えば .claude/skills/code-review/SKILL.md を作成すると、Anthropicの /code-review バンドルスキルではなく、自作のスキルが呼び出されます。意図的にカスタマイズしたい場合は有効ですが、誤って上書きしないよう注意しましょう。
Q. スキルを削除したい
SKILL.mdファイルを削除して /reload-skills を実行するだけです。gitで管理している場合は、コミットして削除してください。
Q. ユーザーレベルのスキル(~/.claude/skills/)はどこで使われるの?
全プロジェクトのClaude Codeセッションで利用可能です。プロジェクト固有ではない汎用的なスキル(例:「議事録をMarkdown形式でまとめる」「英語メールの下書きを作る」など)に適しています。
Q. スキルの中からさらに別のスキルを呼び出せる?
SKILL.mdの本文でスラッシュコマンドを記述すると、Claudeがそのコマンドを実行しようとします。ただし、スキルの連鎖呼び出しは複雑になりやすいため、最初はシンプルな構成から始めることをおすすめします。
まとめ
Claude Codeのスキル(カスタムコマンド)を振り返りましょう。
| 種類 | 保存場所 | 作り方 | 使いどころ |
|---|---|---|---|
| バンドルスキル★ | Anthropic提供 | 作成不要 | /code-review・/batch など17種 |
| カスタムスキル(プロジェクト) | .claude/skills/ | SKILL.mdを作成 | プロジェクト固有の手順・チーム共有 |
| カスタムスキル(ユーザー) | ~/.claude/skills/ | SKILL.mdを作成 | 全プロジェクトで使う汎用的な作業 |
まず試すならこの1ステップ:
mkdir -p .claude/skills/pre-pr-check
# SKILL.md を作成して /pre-pr-check で呼び出す「また同じことをClaudeに説明しているな」と感じた瞬間が、スキル化のベストタイミングです。その繰り返しを一度SKILL.mdにまとめてしまえば、次回からは /コマンド名 の一言で済むようになります。
スキルはチームで共有することで、品質のばらつきをなくし、誰でも同じ手順・同じ品質で作業できる環境を作ることができます。ぜひ日々の開発フローに取り入れてみてください。
関連記事:
- 【2026年6月最新版】Claude Code全90コマンド以上徹底解説

- Claude Skills完全ガイド|とは・使い方・SKILL.mdの作り方まで初心者向けに徹底解説

- Claude Skillsはこんな時に使う!活用シーン別ガイド7パターン

- 【2026年最新】Claude Codeのコードレビューを自動化する方法

- 【まとめ記事】Claude Code完全攻略ロードマップ|全記事まとめ

コメント