はじめに
GoogleのAIコーディングエージェント「Antigravity」を実際に使ってみました。以前 Gemini CLIの使い方 を何本も書いたのですが、Gemini CLI自体は既に廃止されており、Antigravityはその後継にあたる存在です。
正直なところ、過去の経験からGoogle系のAIはClaudeなどと比べるとコーディング能力が見劣りするイメージを持っていました。今回は無料プランでインストールから実際のタスク実行まで試し、その印象が変わるかどうかを確かめています。
この記事で分かること
- Antigravityのインストールでつまずきやすいポイント(ダウンロードページの選択ミス)
- 無料プラン(Starter Quota)で使えるモデルとクレジットの実態
- 簡単なタスクと、Google Apps Script(GAS)の新規プロジェクト作成という少し難易度を上げたタスクの検証結果
- Claude Codeなど他のAIコーディングエージェントと比べて感じた違い
インストールでいきなり詰まった話
事前に自分用の手順書を作って進めていたのですが、その手順書自体が誤った方をダウンロードするよう案内していました。

公式サイトのダウンロードページには「Antigravity App」と「Antigravity IDE (Standalone)」という2つの選択肢が並んでいます。

「Antigravity App」が一番上に表示されていて、英語UIのまま日本語化を試みて上手くいかず、AIに質問しているうちにようやく「そもそも別のアプリを入れている」ことに気づきました。情報収集の段階から見落としていたという点で、初見では誰でも踏みやすい詰まりポイントだと思います。
ページを下にスクロールすると、目的の「Antigravity IDE (Standalone)」が見つかりました。

実際には「App」「CLI」「IDE (Standalone)」「SDK」と4つの選択肢が並んでおり、目的の「IDE」はその中でも3番目、スクロールしないと見えない位置にありました。一番上の「App」だけを見て早合点すると、まさに今回のように詰まりやすい配置だと思います。
正しい「Antigravity IDE」を入れ直すと、インストールには想像以上に時間がかかりました。

感覚的には20分近くかかったと思います。進捗バーが同じ場所で止まっているように見える時間が長く、Cursorを導入したときにも感じた「無限ループに入っていないか」という不安を久々に味わいました。
初回起動〜セットアップ
インストールが終わると、ようこそ画面からGoogleアカウントでサインインします。



テーマ選択の後、エージェントの動作モードを選ぶ画面が出てきます。


「Review-driven development」が推奨として案内されており、AIの変更を1つずつ確認しながら進めるスタイルが基本になっているようです。
無料プラン(Starter Quota)の実態
セットアップ後、設定画面からモデルごとの利用状況を確認しました。

デフォルトモデルはGemini 3.8 Flash High。ほかにClaude Sonnet 4.6・Opus 4.6 (Thinking)・GPT-OSS 120B (Medium)も選択可能でした。確認できた範囲でのポイントをまとめます。
- プラン名: Antigravity Starter Quota(無料プラン)
- モデルはGemini系に加えてClaude・GPT系も選択できる
- クォータは週次でリセットされる(月次リセットのGitHub CopilotやAWS Kiroの無料枠より、気軽に試しやすい)
タスク1:簡単なアプリ作成で様子を見る
まずは、html1本でカウントアップダウンするだけのシンプルなアプリ作成を日本語で依頼しました。

要件通りに迷いなく仕上げてくれました。

消費したクレジットはおよそ3%程度。ただ、これだけでは簡単すぎてコーディング能力の判断材料にならないため、もう少し難易度を上げたタスクに挑戦しました。
タスク2:Google Apps Scriptの新規プロジェクトを一から作らせる
Claude CodeのようなローカルのCLI中心のエージェントと違い、AntigravityはGoogleのエコシステム(Workspace・GCPなど)との連携に強みがあるのでは、という仮説を検証するため、GAS(Google Apps Script)のプロジェクトをゼロから作らせてみました。
依頼した要件
clasp createでスタンドアロン型のGASプロジェクトを新規作成する- スプレッドシートのA列に入力されたURLに対してHTTPリクエストを送り、ステータスコード(200・404など)をB列、ページタイトルをC列に書き込む
- スプレッドシートのカスタムメニューから実行できるようにする
clasp pushでのデプロイと、実行に必要な権限承認まで完結させる

自己修復的な挙動に驚いた
作業を開始したエージェントは、まずclasp -vを実行しようとしてコマンドが見つからないエラーに遭遇しました。

ここで指示を出していないにもかかわらず、エージェントが自分でnpm install -g @google/claspを実行してclaspを導入し、そのまま作業を継続しました。ちょっとしたことですが、こうした「詰まったら自分で直して進む」振る舞いは地味に好印象でした。
OAuth認証と権限承認
claspのログイン時にはOAuth同意画面が表示され、ここはユーザーの手動承認が必要でした。

スプレッドシート側には、指示通りカスタムメニューが追加されていました。

メニューを初めて実行した際には、「このアプリはGoogleで確認されていません」という警告が表示されます。これもGAS特有の制約で、ユーザーが手動で許可する必要がありました。

実行結果
テストデータには、意図的に404を返すURLも混ぜて動作確認してくれていました。結果は要件通りで、B列にステータスコード、C列にページタイトルが書き込まれ、取得に失敗した行はC列が空欄のままになっていました。

タスク完了後の自己分析が一番の見どころ
今回最も印象的だったのは、タスク完了後にエージェント自身が「どこで人間の介入が必要だったか」を表形式で自己分析していた点です。

- claspのログイン認証
- Apps Script APIの有効化
- スタンドアロン型プロジェクトの選択
- 実行時のOAuth権限承認
上記4点を挙げ、「AIが自律的に進められる範囲」と「ユーザーのワンクリック承認が必要な範囲」の役割分担について、エージェント自身の言葉でまとめてくれていました。他のツールではあまり見かけない振る舞いで、正直驚きました。
作業後にクォータを確認したところ、Geminiモデルの週次残が91%、Claude・GPT系は100%残のままでした。

Claude Codeなど他のエージェントと比べて感じたこと
- 自己修復・自己分析の振る舞いは、今回試した範囲ではAntigravityの方が目立って印象に残りました
- 一方で、claspのOAuth認証やGoogle側の未確認アプリ警告など、Googleエコシステム特有の手動承認ステップは依然として人間が介在する必要があり、「完全に自律的」というわけではありません
- カウンターアプリ程度の簡単なタスクでは差が見えづらく、GASのような実際の開発タスクで初めて挙動の違いが見えてきました
GCPの操作やSearch Console・Googleアナリティクスとの連携など、Google系サービスとの組み合わせはClaude Codeでも技術的には可能なはずですが、今回のOAuth同意画面の扱いなどを見る限り、Googleの自社サービスとの連携という文脈ではAntigravity側に何らかの強みがある可能性を感じました。この点は、別のGoogle系タスクで改めて検証してみたいと思っています。
まとめ
- ダウンロードページの「Antigravity App」と「Antigravity IDE (Standalone)」の混同が、一番の詰まりポイントだった
- 無料プラン(Starter Quota)はGemini以外にClaude・GPT系モデルも選べ、週次リセットなので試しやすい
- 簡単なタスクは問題なくこなせたが、GAS連携という少し難易度の高いタスクでは、claspの自動導入や完了後の自己分析など、想像以上に自律的な振る舞いが見られた
- OAuth認証やGoogle側の権限承認など、人間の介在が必要な箇所は依然として残っている
Gemini系のAIはコーディング能力でClaudeに見劣りするというイメージを持っていましたが、今回試した範囲では思っていたより良い印象でした。今後も継続して使ってみて、Antigravityならではの強み・弱みを見極めていきたいと思います。
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