はじめに
「Claude CodeみたいなAIコーディングエージェントを試したいけど、費用を抑えたい…」
「Googleが出しているターミナル版AIエージェントって何ができるの?」
そんな疑問を持つエンジニアに向けて、Gemini CLIの全貌を徹底解説します。
Googleが2025年後半に正式リリースしたGemini CLIは、2026年2月時点でバージョンv0.29.0に達し、単なる対話ツールからエージェント型ツールへと大きく進化しました。
本記事では、2026年2月時点の最新情報をもとに、Gemini CLIの全体像から実践的な活用方法まで徹底解説します。
この記事で分かること
- Gemini CLIとは何か(ブラウザ版との違い)
- できること・主な機能
- メリット・デメリットの詳細分析
- 特にオススメの機能(Plan Mode、MCP連携など)
- 料金体系と無料枠の活用法
- インストール手順(Windows/Mac/Linux対応)
- GEMINI.mdによるプロジェクト設定
こんな人におすすめ
- AIコーディングエージェントに興味がある開発者
- Claude Codeを試したいが費用を抑えたい人
- ターミナルベースの開発環境を好む人
- 大規模なコードベースをAIに分析させたい人
- Googleのエコシステムを使い倒したい人
Gemini CLIとは
基本概念
Gemini CLIは、Googleが開発・オープンソース公開しているコマンドライン型のAIエージェントです。
■ターミナルネイティブ
└→ コマンドラインから直接Geminiとやり取り
└→ エディタとシームレスに統合
■ローカルファイルアクセス
└→ プロジェクトファイルを直接読み書き
└→ ディレクトリ全体を丸ごと解析
■エージェント機能
└→ ファイル編集・シェル実行・Git操作を自律実行
└→ 複数ステップのタスクを自動的に処理GitHubリポジトリも公開されており、誰でもソースコードを確認・貢献できます:https://github.com/google-gemini/gemini-cli
ブラウザ版(Gemini Apps)との違い
| 機能 | ブラウザ版 (Web) | Gemini CLI |
|---|---|---|
| ファイル保存 | ダウンロード操作が必要 | 直接上書き・新規作成 |
| コマンド実行 | 不可能 | コンパイル、テスト、Git操作 |
| ファイル数 | 数個〜十数個が限界 | 数千・数万ファイルを一括スキャン |
| 外部連携 | コピペのみ | DB、API、OSツールと直結 |
| 自動化 | 手動対話のみ | スクリプトによる完全自動化 |
| コスト可視化 | 不可(Googleのさじ加減) | トークン消費量を数値で把握可能 |
ブラウザ版は「サンドボックス(砂場)」と呼ばれる隔離された環境にいますが、CLI版はあなたの許可を得て**「PCの住人」**として振る舞えます。
2026年2月時点の最新バージョン
| バージョン | リリース日 | 主な内容 |
|---|---|---|
| v0.30.0-preview.1 | 2026/02/19 | SDK Package、Plan Mode強化、Ctrl-Z対応、Solarizedテーマ追加 |
| v0.29.0(最新安定版) | 2026/02/17 | Plan Mode、Gemini 3デフォルト化、管理者コントロール |
| v0.28.0 | 2026/02/10 | /prompt-suggestコマンド、Positron IDE対応 |
| v0.25.0 | 2026/01/20 | Skills & Agents改善 |
| v0.24.0 | 2026/01/14 | Agent Skills、セキュリティ強化 |
Gemini CLIでできること
1. ファイル操作(作成・編集・削除)
ローカルファイルを直接操作できます。
# Gemini CLIを起動
gemini
# 指示例(プロンプトで入力)
> main.py のバグを修正して保存して
> 新しいファイル utils.js を作成して、日付フォーマット関数を実装して
> src/ フォルダ内の全 .ts ファイルに TypeScript strict モードを追加して2. コードの理解と分析
プロジェクト全体を一括で読み込み、深い分析が可能です。
> このプロジェクト全体のアーキテクチャを分析して、セキュリティ上の問題点を指摘して
> @src/components/ フォルダの全コンポーネントを確認して、重複している処理をリストアップして100万トークンのコンテキストウィンドウにより、数万行のコードベースを丸ごと保持したまま会話できます。
3. シェルコマンドの実行
> テストを実行して、失敗したケースがあれば原因を分析して修正して
> npm run build してエラーがあれば解決して
> git log を確認して、今週のコミット内容をまとめて4. Git操作の自動化
> 今の変更を feature/fix-bug ブランチにコミットしてプッシュして
> git の差分を確認して、適切なコミットメッセージを作成してコミットまで完了させて5. Google検索との連携
# /search コマンドで最新情報を検索しながらコードを生成
> /search React 19の新機能を調べて、このコンポーネントをアップグレードしてブラウザ版Geminiと同様に、最新のライブラリ仕様や技術情報をリアルタイムに検索しながら回答してくれます。
6. ブログ記事・ドキュメントの作成と更新
> vba-color.md という新規ファイルを作って、「VBA 色 一覧」をテーマに記事を書いて
> content/ フォルダ内の全記事をスキャンして、SEO上の問題点をリストアップして
> この記事の冒頭に「この記事のポイント」を3点追記して上書き保存して主要機能の詳細
Plan Mode(プランモード)【v0.29.0〜 特にオススメ】
/plan コマンドで、実装前に設計フェーズを分離できます。
> /plan
# Geminiが実装前に以下を確認してくれる
# ✓ 変更の影響範囲を整理
# ✓ 実装ステップを列挙
# ✓ リスクや注意点を提示
# ユーザーが承認してから実際の作業を開始いきなりファイルを書き換えるのではなく、「何をするか」を先に確認してから実行できるため、安心して使えます。
承認モード(Approval Mode)【安全のために重要】
# デフォルト(手動承認): ファイル書き換えやコマンド実行のたびに確認を求める
gemini # 通常起動(手動承認)
# 全自動モード: すべてGeminiに任せる(Git管理下で使うこと)
gemini --approval=yolo
# ファイル編集は自動、シェルコマンドは確認
gemini --approval=auto_edit最初は手動承認モード(デフォルト)で使うことを強く推奨します。
GEMINI.md(プロジェクト設定ファイル)【Claude CodeのCLAUDE.mdに相当】
Claude Codeの CLAUDE.md と同様に、プロジェクトごとのルールを記述したファイルを自動読み込みします。
# プロジェクト概要
このプロジェクトはWordPressブログ(例: mysite.com)の記事管理システムです。
# コーディング・執筆ルール
- すべてのやり取りは日本語で行うこと
- IT系の回答時はコメントをコードの右側に記述すること
- 記事はMarkdown形式で posts/ フォルダ内に保存すること
# 開発コマンド
- ビルド: npm run build
- 記事の公開: git push origin main| 配置場所 | 役割 | おすすめの記述内容 |
|---|---|---|
~/.gemini/GEMINI.md | グローバル設定 | 全プロジェクト共通の口調や命名規則 |
| プロジェクトルート | プロジェクト設定 | 技術スタック、ビルド方法、テスト実行コマンド |
| 特定のサブフォルダ | 個別設定 | モジュール専用のフレームワーク規則など |
MCP(Model Context Protocol)連携【拡張性が魅力】
MCP対応により、外部ツールとの連携を自由に追加できます。
// .gemini/settings.json でMCPサーバーを設定
{
"mcpServers": {
"github": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"]
},
"postgres": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-postgres"]
}
}
}設定すると、GitHubのIssueを読み書きしたり、PostgreSQLデータベースの中身を見に行かせたりと、外部ツールとの連携を自在に増やせます。
カスタムスラッシュコマンド
よく使うプロンプトを定義しておくことができます。
# .gemini/commands/blog-create.toml
name = "blog-create"
description = "ブログ記事の新規作成"
prompt = """
Markdownファイルを新規作成して、SEOを意識した構成で記事を書いてください。
"""# 使用時
> /blog-createAgent Skills(エージェントスキル)
v0.23.0から実装された機能で、独自のエージェントスキルを定義し、複雑なタスクを自動化できます。
トークン消費量の把握
ブラウザ版では「Googleのさじ加減」でわかりにくかったトークン消費量が、CLIではAPIレスポンスの usage フィールドから数値で確認できます。
使用モデル
| モデル | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| Gemini 3 Pro | デフォルト(v0.29.0〜)、高精度 | 複雑な推論・設計 |
| Gemini 3 Flash | 高速・低コスト、SWE-bench 78% | 日常的なコーディング |
| Gemini 3.1 Pro | 2026/02/19プレビュー開始 | より高度な問題解決 |
コンテキストウィンドウ: 最大100万トークン(Claude Codeの200kトークンの5倍)
インテリジェント自動ルーティング機能により、複雑なタスクは自動的にProモデル、単純なタスクはFlashモデルに振り分けてくれます。
料金体系
無料枠(個人Googleアカウント)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リクエスト数 | 60リクエスト/分、1,000リクエスト/日 |
| 使用モデル | Gemini 3 Pro / Flash |
| コンテキスト | 100万トークン |
| 費用 | 0円 |
Claude CodeやChatGPTと異なり、個人Googleアカウントで無料から始められるのが最大の強みです。
注意点:無料枠でのデータ利用
⚠️ 無料枠の場合
└→ 入力データがモデル改善に使用される可能性あり
└→ 機密情報・個人情報の入力は避けること
✅ 有料(API課金)の場合
└→ データは学習に使われない
└→ Google AI Studio でトークン消費量をリアルタイム確認可能Google AI Studioでの利用(APIキー方式)
より詳細な管理が必要な場合や、業務利用にはGoogle AI Studio経由でのAPIキー取得を推奨します。使用量のグラフをリアルタイムで確認でき、予算管理も可能です。
インストール手順
前提条件
- Node.js 18以上(LTS版推奨)
- Googleアカウント
Step 1: Node.jsのインストール確認
# バージョン確認
node -v
# v20.x.x 以上が表示されればOKバージョンが表示されない場合は、Node.js公式サイトからLTS版をインストールしてください。
Step 2: Gemini CLIのインストール
npm install -g @google/gemini-cliStep 3: 初回起動と認証
# 起動
gemini初回起動時は:
- テーマ選択(デフォルトでOK)
- ブラウザが自動で開く
- Googleアカウントでログイン
- プロンプト画面が表示される
Step 4: 動作確認
> このディレクトリの構造を教えてこれだけで準備完了です。
APIキーを使った起動(上級者向け)
無料枠ではなくAPIキーを使う場合:
# Google AI Studio でAPIキーを取得後
# Windows (PowerShell)
[System.Environment]::SetEnvironmentVariable("GEMINI_API_KEY", "あなたのAPIキー", "User")
# Mac / Linux
echo 'export GEMINI_API_KEY="あなたのAPIキー"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrcメリット
1. 完全無料から始められる
Googleアカウントがあれば、今日から0円でスタートできます。Claude Codeには別途サブスクリプション($20/月〜)が必要なのと対照的です。
2. 圧倒的なコンテキストウィンドウ(100万トークン)
数万行のコードベース全体を丸ごと読み込んだまま、プロジェクト横断的な分析や修正が可能です。ブラウザ版Geminiの最大200万トークン(AI Ultraプラン)には及びませんが、競合ツールと比べれば依然として最大級です。
3. Google検索との統合
昨日リリースされたライブラリの仕様や最新のエラー解決策を、リアルタイムで検索しながらコードを書けます。
4. オープンソース
GitHubでソースコードが公開されており、カスタマイズや拡張が容易です。
5. マルチモーダル対応
画像・動画・音声ファイルも入力として扱えるため、「アプリの動作画面の動画を見てバグを修正して」といった指示も可能です(現時点ではCLI経由での動画解析には制限あり)。
デメリット・注意点
1. ターミナル操作が必須
GUIに慣れている方には学習コストがあります。
基本操作の習得: 1〜2時間
日常的な使いこなし: 1週間程度2. 自律性がやや低い(Claude Code比較)
実際のベンチマーク比較では、Claude Codeが全自動で完了したタスクに対して、Gemini CLIは途中で手動介入が必要なケースもあります。
あるタスクの比較例:
- Claude Code: 1h17m完了、コスト$4.80(全自動)
- Gemini CLI: より長い時間、コスト$7.06(手動介入込み)3. コードの質が若干荒い
冗長なボイラープレート(定型コード)を多く出力する傾向があります。Claude Codeの方が「洗練されたコード」という評価が多いです。
4. ブラウザ版のチャット履歴は参照不可
Gemini CLI(CLI/API経由)は、ブラウザ版Geminiのチャット履歴とデータが分離されているため、過去のブラウザ版のやり取りをそのまま引き継ぐことはできません。
5. 無料枠での機密情報の扱い
無料枠では入力データがモデル改善に使用される可能性があるため、業務での機密コードを扱う場合は有料プランか、オンプレミスでの利用を検討してください。
実践的な活用シーン
シーン1: 大規模コードベースの分析
# プロジェクトルートで起動
gemini
> このプロジェクト全体を分析して、セキュリティ上の問題点と改善提案を教えて100万トークンの恩恵で、他のツールでは「ファイルが大きすぎて読めない」となるケースでも、プロジェクト全体を把握したまま回答してくれます。
シーン2: ログ解析の自動化
# 他のコマンドの結果をGeminiに流し込む(パイプ)
grep "ERROR" system.log | gemini "このエラーの原因と対策を教えて"数ギガバイトのログファイルから特定のキーワードを抽出し、その結果をGeminiに解析させる、といったパイプライン処理が可能です。
シーン3: ブログ記事の一括処理
> content/ フォルダ内の全記事をスキャンして、
> 古いリンク先を新しいURL(newsite.com/...)に一括置換して保存して数十〜数百のファイルを高速でスキャンし、一気に書き換えます。ブラウザ版では絶対に不可能な作業です。
シーン4: 開発環境の自動構築
> このプロジェクトを動かすために必要なパッケージをチェックして、
> 入っていなければインストールコマンドを実行してまとめ
Gemini CLIは、2026年2月時点で最も注目すべきAIコーディングエージェントの一つです。
主要なポイント:
✅ メリット
- 完全無料から始められる(個人Googleアカウントのみ)
- 100万トークンという圧倒的なコンテキストウィンドウ
- Google検索とのリアルタイム統合
- オープンソースで拡張性が高い
- Plan Mode、MCP連携など機能が急速に充実
⚠️ デメリット・注意点
- ターミナル操作が必須
- Claude Code比で自律性がやや低い
- 無料枠では機密データに注意
- ブラウザ版とのチャット履歴は分離
🎯 こんな方に特におすすめ
- まずコスト0でAIエージェントを試してみたい方
- 大規模なプロジェクト全体をAIに把握させたい方
- Google検索と連携した最新情報を活かしたい方
次のステップ:
まずは npm install -g @google/gemini-cli でインストールして、簡単なファイル操作からお試しください。無料枠の1,000リクエスト/日があれば、日常的な開発作業には十分です。
より詳しい使い方は、以下の記事で解説しています:
- Gemini CLI完全使いこなしガイド|基本操作からVSCode連携・ローカル活用術まで

- Claude Code vs Gemini CLI|できること・できないことを徹底比較【2026年2月版】

タグ: #GeminiCLI #Gemini #Google #AI #コーディング #開発効率化 #ターミナル
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