はじめに
「Gemini CLIをインストールしたけど、どう使えばいいのか分からない…」
「ブラウザ版のGeminiとどう使い分ければいいの?」
「ローカルで使うからこそできる、CLIならではの活用法って何?」
本記事では、Gemini CLIをインストール後に迷わず使いこなせるよう、基本操作から応用テクニック、VSCode連携、ローカル環境だからこそできること、個人利用での注意点まで、体系的に解説します。
基本的な使い方
起動とインタラクティブモード
インストール後、以下のコマンドで起動します。
gemini起動すると対話型のプロンプトが表示されます。ここに自然言語(日本語でOK)で指示を入力します。
> こんにちは。このディレクトリに何がありますか?
> src/main.py を読んで、どんな処理をしているか教えてワンショットモード(単発コマンド)
対話モードに入らず、コマンドラインから直接質問する方法です。
# 引数として質問を渡す
gemini "このディレクトリの構造を分析して"
# 他のコマンドの結果をパイプで渡す
cat error.log | gemini "このエラーの原因を教えて"
# ファイルを指定して質問
gemini "このコードを日本語でコメントして @src/utils.js"主要なスラッシュコマンド一覧
| コマンド | 内容 |
|---|---|
/plan | Plan Modeを開始(実装前に設計を確認) |
/search キーワード | Google検索を実行して情報収集 |
/memory show | 現在読み込まれているGEMINI.mdの内容を表示 |
/memory refresh | GEMINI.mdを再読み込み |
/prompt-suggest | プロンプトの改善提案を生成 |
/clear | 会話履歴をクリア |
/quit | 終了 |
ファイル参照の方法(@記号)
# 特定のファイルを読み込んで質問
> @src/main.py を読んでバグを探して
# 複数ファイルを参照
> @package.json と @src/App.tsx を確認して、使っていないパッケージを教えてPlan Modeの活用(初心者にも安全)
Plan Modeは、実際に作業を始める前に「何をするか」を確認できる機能です。初心者が誤ってファイルを書き換えてしまうのを防げます。
# Plan Modeを開始
> /plan
# 以降の指示は計画段階として扱われる
> src/ フォルダ全体のTypeScriptファイルに型注釈を追加して
# Geminiが計画を提示する
# ✓ 影響するファイルのリスト
# ✓ 変更の概要
# ✓ 想定リスク
# ユーザーが承認 → 実際の作業開始Plan Modeのメリット:
- 「思ったのと違う動き」をする前に確認できる
- 影響範囲を事前に把握できる
- 大規模な変更でも安心して任せられる
VS Codeとの連携
方法1: VS Code内のターミナルでGemini CLIを使う(おすすめ)
VS Codeの統合ターミナル(Ctrl + @)でGemini CLIを起動すると、Claude Codeとほぼ同じ感覚で操作できます。
# VS Codeのターミナルで
gemini
# CLIで「ファイルを修正して」と指示すると
# → VS Codeのエディタがリアルタイムで書き換わるポイント:
- CLIがファイルを編集すると、VS Code上でリアルタイムに変更が反映される
- VS Code上で開いているファイルの内容をCLI側が自動認識してくれる
方法2: VS Code拡張機能「Gemini Code Assist」
VS Codeのマーケットプレイスで「Gemini Code Assist」を検索してインストールできます。
■チャットインターフェース
└→ サイドパネルでコードに関する質問や修正依頼が可能
■インライン補完
└→ コード入力中にGeminiが次の一行や関数をグレーで提案(Ghost Text)
■エージェントモード
└→ 「このプロジェクトのテストコードを全部書いて」→複数ファイルを自動生成IDE連携コマンド
# CLIとVS Codeをリンクして、エディタのコンテキストを共有
> /ide enable
# 今エディタで開いているファイルの選択範囲をGeminiに渡せるようになる使い分けの指針
| 用途 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 直感的にコードを補完したい | VS Code拡張機能 |
| 複雑な複数ステップ作業を任せたい | ターミナルでCLI |
| ファイルをまたぐ大規模な変更 | ターミナルでCLI |
| 特定の行だけ修正したい | VS Code拡張機能 |
外部ツール・サービスとの連携
MCP(Model Context Protocol)でツールを追加
MCP対応により、外部ツールとの連携を簡単に追加できます。
// .gemini/settings.json に記述
{
"mcpServers": {
"github": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-github"]
},
"postgres": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-postgres"]
},
"filesystem": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/path/to/project"]
}
}
}設定後は自動的に外部ツールが使えるようになります:
# GitHubのIssueを確認して対応する
> GitHubの open なIssueを一覧表示して、優先度の高いものから修正計画を立てて
# データベースの構造からコードを生成
> ローカルのPostgreSQLのusersテーブルを確認して、対応するTypeScriptの型定義を作ってカスタムスラッシュコマンドの活用
よく使うプロンプトをコマンドとして登録できます。
# ~/.gemini/commands/code-review.toml(ユーザースコープ)
name = "code-review"
description = "コードレビューを実施"
prompt = """
以下の観点でコードをレビューしてください:
- セキュリティの問題
- パフォーマンスの改善点
- 可読性の向上
- ベストプラクティスへの準拠
"""# .gemini/commands/blog-article.toml(プロジェクトスコープ)
name = "blog-article"
description = "ブログ記事を新規作成"
prompt = """
SEOを意識したブログ記事をMarkdown形式で作成してください。
見出し構成:H2に3〜5個、H3を適宜配置。
文体:親しみやすく、専門用語は必ず解説。
"""# 使用例
> /code-review
> /blog-articleGoogle検索との連携
# /search で最新情報を取得しながらコーディング
> /search Next.js 15 App Router の最新仕様
> React 19の新機能を調べて、このコンポーネントを最新の書き方に更新してWebではできない!ローカルだからこそできること
これがGemini CLIの真骨頂です。ブラウザ版ではできない、ローカル環境ならではの活用法を紹介します。
1. プロジェクト全体の一括処理
# プロジェクト内の全ファイルをスキャン
> このプロジェクト全体で使われているlog4jのバージョンをリストアップして、脆弱性があるものを教えて
# 全ファイルの一括リファクタリング(動作確認付き)
> 変数名 oldParam を newParam に全ファイルで変更して。
> テストコード内のアサーションも合わせて書き換えて、変更後に npm test でエラーがないことを確認してブラウザ版では数個のファイルをアップロードするのが限界ですが、CLIはPC内のパスを自由にスキャンできます。
2. パイプラインによる前処理→AI解析の自動化
# ログから特定のエラーだけ抽出してGeminiに解析させる
grep "ERROR" /var/log/app.log | gemini "このエラーパターンの原因と対策を教えて"
# gitの差分からコミットメッセージを自動生成
git diff HEAD~1 | gemini "この変更内容に適したコミットメッセージを提案して"
# ビルド結果を解析
npm run build 2>&1 | gemini "このビルドエラーを解析して修正方法を教えて"3. ローカルサーバー・DBとの直接対話(MCP経由)
# ローカルDBのスキーマを確認してコードを生成
> ローカルのPostgreSQLに接続して、usersテーブルの構造を確認し、
> それに対応するJavaのEntityクラスを作成して
# サーバーログのリアルタイム監視
> system.log を監視して、NullPointerExceptionが出たら即座に原因を分析してチャットに表示して4. OS操作を伴う自動化(RPA的な動き)
# 環境構築の自動化
> このプロジェクトに必要なパッケージ(Python 3.11, Docker, AWS CLIなど)がインストールされているか確認して、
> 不足しているものがあれば必要なインストールコマンドを提案して
# ファイルの自動整理
> Downloadsフォルダの過去1ヶ月のスクリーンショットを、
> 内容に基づいて適切なフォルダに分類して移動して5. ブログ・ドキュメントの完全自動化
# 記事作成から保存まで一気に
> new-article.md を作成して、「React Hooksの使い方」をテーマに
> SEOを意識した記事を書いて保存して。
> 書き終わったらgit commitまでして
# 全記事の一括リライト
> posts/フォルダ内の全記事をスキャンして、
> 古いURLをすべて新しいドメイン(newsite.com)に一括置換して保存して6. セキュリティフィルタリング(独自の前処理)
# 機密情報を除外してからGeminiに送る仕組みを構築
# 例: パスワードや個人情報を伏せ字にするスクリプトを挟んでから送信APIを経由するCLIでは、送信前に自分でスクリプトを噛ませて「個人情報が含まれていたら自動で伏せ字にしてからGeminiに送る」といった独自の制御が可能です。
GEMINI.mdによるプロジェクト設定
GEMINI.mdは、Claude CodeのCLAUDE.mdに相当するファイルです。プロジェクトルートに作成しておくだけで、毎回同じ前提を説明する必要がなくなります。
基本的な書き方
# プロジェクト概要
このプロジェクトは Next.js + TypeScript で構築したブログシステムです。
# コーディングルール
- すべてのやり取りは日本語で行うこと
- コメントはコードの右側に記述すること(例: `const x = 1; // 説明`)
- TypeScript の strict モードを厳守すること
- 関数には必ず JSDoc コメントを付けること
# 技術スタック
- フレームワーク: Next.js 15 (App Router)
- 言語: TypeScript
- スタイリング: Tailwind CSS
- DB: PostgreSQL(Prisma経由)
# 開発コマンド
- 開発サーバー起動: npm run dev
- ビルド: npm run build
- テスト: npm test
- デプロイ: git push origin main
# 記事の保存ルール
- 記事は Markdown 形式で posts/ フォルダに保存
- ファイル名は kebab-case(例: my-first-post.md)グローバル設定(全プロジェクト共通)
# ~/.gemini/GEMINI.md
# 共通ルール
- 回答は常に日本語で行うこと
- コードの説明は簡潔に、ステップ数を最小限にすること
- セキュリティ上の問題点を発見した場合は必ず指摘すること設定確認コマンド
# 現在読み込まれているルールを確認
> /memory show
# GEMINI.mdを更新後に再読み込み(再起動不要)
> /memory refresh個人利用における注意点
1. 無料枠でのデータプライバシー
⚠️ 重要な注意点
無料枠(個人Googleアカウント)の場合:
- 入力したデータがGeminiモデルの改善に使用される可能性があります
- パスワード、APIキー、個人情報、業務上の機密情報は入力しないでください
対策:
① 機密情報は伏せ字にしてから入力する
② 業務利用には課金設定(有料API)を使う
③ .geminiignore でアクセス禁止ファイルを設定する2. 常にGit管理下で作業する
Geminiはファイルを直接書き換えます。万が一の誤編集に備えて:
# 作業前にコミットしておく
git add .
git commit -m "作業前のバックアップ"
# 問題が起きたら元に戻せる
git restore .これは鉄則です。 Git管理外のファイルをGeminiに触らせると、元に戻せなくなります。
3. 最初は承認モードを手動にする
# デフォルト(手動承認)で始める
gemini
# ファイルの書き換えや rm コマンドを実行しようとするたびに確認を求めてくれる
# [y/N] → y で承認、N でスキップ慣れてきたら --approval=auto_edit(ファイル編集は自動、シェルは確認)に移行するのがおすすめです。
4. コスト管理(APIキー利用時)
無料枠を超えてAPIキーで利用する場合:
# Google AI Studio でダッシュボードを確認
# https://aistudio.google.com/
# → 使用量グラフをリアルタイムで確認可能
# → プロジェクトごとの予算上限も設定可能5. 生成されたコードは必ず確認する
AIが生成したコードをそのまま使うのはリスクがあります:
✅ 推奨ワークフロー:
1. Geminiが提案した変更を確認(Plan Modeの活用)
2. git diff でファイルの変更内容を確認
3. テストを実行して動作確認
4. 問題なければコミット6. インターネット接続が必要
Gemini CLIはクラウドAPIを利用しているため、常時インターネット接続が必要です。オフライン環境では使用できません。
7. 会話コンテキストの管理
一つの会話セッションが長くなりすぎると、過去のすべてのやり取りがトークンとして消費されます。
# テーマが変わったら新しいセッションを開始
> /clear # 会話履歴をクリア
# または起動し直す
exit
geminiこれが最も効果的なコスト節約術です。
実践的なワークフロー例
ワークフロー1: 朝のコードレビュー
# VS Codeのターミナルで
gemini
> 昨日のコミット以降の変更ファイルを確認して、
> セキュリティ上の問題点と改善提案をリストアップしてワークフロー2: バグ修正の自動化
> このエラーメッセージを読んで原因を特定して修正して:
> TypeError: Cannot read properties of undefined (reading 'map')
> スタックトレース: @src/components/ProductList.tsx:45
# Geminiが原因を特定 → 修正 → ファイルに保存 → テスト実行まで自動で処理ワークフロー3: ドキュメント生成
> src/ フォルダ内の全コンポーネントを読み込んで、
> 各コンポーネントの使い方をまとめたREADME.mdを作成してワークフロー4: ブログ記事の一括SEO改善
> posts/ フォルダ内の全記事をスキャンして:
> 1. titleタグが50文字以上の記事をリストアップ
> 2. meta descriptionが設定されていない記事を特定
> 3. 指摘した問題を各記事に直接修正して保存してまとめ
Gemini CLIは、使い方を理解すれば非常に強力なツールです。
おさらい:
■基本操作
└→ gemini で起動、日本語で指示するだけでOK
└→ @ファイル名 でファイルを参照
■安全な使い方
└→ /plan で事前確認
└→ 手動承認モードで始める
└→ 常にGit管理下で作業
■VSCode連携
└→ 統合ターミナルでCLI起動が最も使いやすい
└→ 「Gemini Code Assist」拡張機能も選択肢
■ローカルならではの活用
└→ ファイルの一括処理・一括置換
└→ パイプで他のコマンドと連携
└→ MCP経由でDB・GitHubと直接連携
■個人利用の注意点
└→ 機密情報は無料枠に送らない
└→ 常にGit管理下で作業
└→ 生成コードは必ず確認特に「プロジェクト全体をGeminiに把握させて、横断的な分析や一括処理をさせる」という使い方は、他のどのツールでも難しい、Gemini CLIならではの体験です。まずは小さなファイル操作から試してみてください。
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